政府は10日午前の閣議で、13日に期限切れとなる北朝鮮船舶の全面入
港禁止措置など日本独自の対北朝鮮制裁措置を半年間延長することを決め
た。拉致問題北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議で進展が見られないた
め、今後も圧力路線を堅持する姿勢を示すのが狙いだ。制裁措置は、昨年
10月の北朝鮮による核実験を受けて決まった。延長されたのは、法律に
基づく延長手続きが必要な<1>貨客船「万景峰号」など、すべての北朝
鮮籍船舶の入港禁止<2>北朝鮮からの輸入の全面禁止の2分野。

 

一時は拉致問題にこだわりすぎて我が国もバスに乗り遅れるな、との先走
った論調も見られた6か国協議であるが、ここにきて金融制裁を受けてい
た口座からの北朝鮮関連資金の移管が思うように進まず、北朝鮮にとって
あまり良い状況となっているとは言えない。今まで不正な取引によって得
られた資金だから凍結するとしていたものが、協議の場を経ているとは言
え、正当な資金であると手のひらを返したような対応をしたのも大いに疑
問ではあった。北朝鮮にとって喉から手が出るほど欲しい資金だと言うこ
とは証明されたわけだが。

 

拉致問題は進展するどころか、女工作員らが74年5月から夏にかけて福
井県の海岸から工作船で子供2人を北朝鮮に拉致したとみられることが、
明らかとなり疑惑ばかりが深まっていく。そんな中で制裁措置を停止した
りする理由は何処にもなかろう。圧力路線の堅持は当然のことであり、今
更とやかく言うことではない。北朝鮮が誠意ある態度を見せ、さらには拉
致問題が解決する時までは我が国が姿勢を変えることはないのだ。