台湾総統府の邱義仁秘書長は12日、陳水扁総統が11日に世界保健機関
の陳馮富珍事務局長にあてて「台湾」名義で正式加盟を申請する書簡を送
ったことを明らかにした。台湾は毎年、WHO年次総会でオブザーバー参
加を求めているが、「1つの中国」の原則を掲げる中国の反対により10
年連続で却下されている。正式な加盟申請を提出することで、国際世論を
喚起する狙いがあるとみられる。オブザーバー参加も引き続き求めていく。

 

1つの中国を標榜するには今の中国と台湾の立場はあまりにも違う。独立
志向の陳総統も表立って独立のために動くようなことは無かったが、それ
でも中国はWHOを「主権国家だけが参加できる国連機関だ」と強調して
おり、「台湾」名義での加盟申請に強く反発すると予想されている。正式
加盟は中国が威信にかけてでも阻止をするであろうし、台湾の加盟に手を
貸すような国は出てはこないだろう。台湾にとって申請をすることに意味
があると言っても良さそうだ。

 

新型肺炎が東南アジアを中心に広がった際には、世界保健機構に加盟をし
ていない台湾は迅速に対応し、加盟する中国は、「国家機密」との理由か
ら、新型肺炎蔓延の情報を隠蔽して外部に公開しなかったため、いたずら
新型肺炎を国際社会に撒き散らす結果となった。台湾のWHO加盟を反
対する前に、中国はその隠蔽体質を改善するのが先決であろう。病に国境
は無いのだ、台湾の加盟を支持したい。