民主党鳩山由紀夫幹事長は14日、TBSのテレビ番組で「自衛隊は他
国から見れば戦力なのに、持っていないと憲法に書いてあることは明らか
に矛盾で、きちんと書くべきだ」と、憲法9条を改正すべきだとの持論を
展開した。一方で、憲法改正手続きを定める国民投票法案の衆院通過を急
いだ与党の対応を批判し、投票対象を生命倫理の問題などに広げる民主党
修正案の正当性を主張した。

 

民主党の幹事長としての発言なのか、それとも個人的な立場にたっての発
言なのかによって意味合いが変わってくるだろう。もともと拉致問題や改
憲に関して保守的な姿勢の見える鳩山氏は、主義主張の違う議員の寄り合
い所帯である民主党において、外から見れば結局は民主党の方向性はバラ
バラなのだと言うことになりかねない。本来であれば改憲を成し遂げたい
と考えていても、各議員の方向性が違う党内事情が優先され、結局のとこ
ろは「なぁなぁ」で終わってしまうのはもったいない。

 

鳩山氏の祖父鳩山一郎元首相が初代総裁を務めた自民党の党是は憲法改正
にあった。鳩山元首相は悲願を成し遂げることなくこの世を去ったが、国
民投票法案の成立が確実視され、憲法改正への道筋が出来たのであるから
鳩山氏も自身の信念に基いて党内の保守系議員をまとめるなり、リーダー
シップを発揮する時がきたのではなかろうか。