国学力テストが一斉実施された24日、全国の公立校で唯一不参加を決
めた愛知県犬山市では小、中学全14校で通常通り授業を実施した。特に
混乱はなかった。犬山市は、子供が自ら得た知識は生きる力をはぐくむと
の考えから、少人数学級や教員による副教本づくりなどの取り組みを推進。
全国テストは競争原理導入で教育理念に合わないとして、参加を見送った。

 

先日、今回の学力テストは民間業者が回収や採点を請け負うため個人情報
保護の観点から不実施を訴えた保護者・生徒がいたことを書いた。だが個
人情報保護の「観点」からすでに名前の代わりに番号を記入する「番号方
式」を認めることとなっており、小学生だと番号を誤記入するかもしれな
いため、導入が見送られていたが今回は小学校でも導入が認められていた。
となるとこの保護者・生徒の主張は根底から覆るのだが、果たしてどうし
たのだろうか。

 

小学校の4校に1校が、解答用紙に氏名の代わりに個人番号を記入する方
式を採用することが文部科学省の集計で明らかになっている。学力の現状
把握が目的としてテスト結果の点数を付けず、正答率を都道府県別や国公
私立別などで発表することを前提としている以上、自治体間の競争を煽る
ような結果にはならないはずだ。教育の再生のためには、まずは現状把握
が必要だ。とってつけたような理由で反対するにはいささか無理があった
のではなかろうか。