自民党丹羽雄哉総務会長は11日の会見で、古賀、谷垣両派の参院選
の合流について、「参院選は天下分け目の戦いであり、党内にさざ波が立
つような動きは適切ではない」と不快感を表明した。また、「大切なこと
安倍晋三首相の下に一致結束していくことであり、憶測を呼ぶような動
きは厳に慎まなければならない」と述べた。

 

政治家が私利私欲のために合従連衡を繰り返すのは、たかが60年の戦後
政治の歴史を見ても明らかである。昨年の自民党総裁選では安倍支持を打
ち出し安倍政権成立後は主流派になった古賀派、一方総裁選に出馬し惨敗
した谷垣氏の自派は非主流派として冷や飯を食わされている。それが合流
しようとするのは、多数を占める町村派津島派に対抗するだけの数を得
ようとするために過ぎない。

 

丹羽総務会長は三役就任に際して派閥を離脱したが、本来は古賀・丹羽派
の共同会長であった。自分の居ぬところを古賀氏が派閥を継承し、単独の
会長に収まった形だ。参院選後の勝敗に如何によっては安倍政権が崩壊し、
その後の自民党内を押さえるかを考えているようでは、他派閥を刺激し参
院選そのものを危うくさせる。党内力学の問題とは言え、丹羽氏も看過出
来ないことだったのだろう、釘を刺すのは正解だ。