海上自衛隊第1護衛隊群の2等海曹がイージス艦の機密情報を持ち出した
事件で、神奈川県警と海自警務隊は19日朝、海自第1術科学校を日米相
互防衛援助協定に伴う秘密保護法違反の疑いで捜索を始めた。同容疑で自
衛隊施設への強制捜査は初めて。流出したファイルは、MDAに基づき米
国から供与された「特別防衛秘密」で、防衛面で必要不可欠な日米の情報
共有への影響が懸念されている。

 

我が国の防衛は自衛隊単独で行えれば、それに越したことはないのだが、
現実には米国に頼る面が非常に大きい。米国べったりとの批判をするにし
ても、自主防衛の戦力を整えるには巨額の防衛費が必要とされる。それだ
けの覚悟があるのなら別だが、実現はしないであろう。だがこのように特
別防衛秘密が簡単に持ち出されるような「軍隊」が信用されるものか、そ
れは言わずもがなである。

 

他国だけで無く、我が国の国民の間にすら広がった不信感を払拭するには、
どのような過程で情報が持ち出され、広がっていったのかを捜査によって
明らかにし、再発防止策を明確に打ち出すことだ。それが出来なければ日
米の情報共有など出来るものではなかろう、捜査の進展を待つのみだ。