安倍首相が設置した集団的自衛権行使に関する有識者懇談会の座長を務め
柳井俊二前駐米大使は21日、都内で講演し「国際環境、日本の置かれ
た安全保障環境は変わった。六十年前の状況で考えられた解釈で生きてい
けるのだろうか」と述べ、集団的自衛権の行使を禁ずる現在の憲法解釈を
見直すべきだとの認識を示した。「憲法改正は非常に時間がかかる。目前
にある問題は待っていられない」と述べ、憲法改正ではなく、解釈の変更
で対応する必要性を強調した。

 

現状の我が国の解釈では「日本も主権国家であることから当然集団的自衛
権を持っているが、日本の自衛権憲法上の制限に従って行われ集団的自
衛権を行使することは憲法上許されない」としている。だが、冷戦期のよ
うに我が国がひたすら経済にだけ力を注いでいれば良い時代は終わってし
まった。湾岸戦争の際に90億ドルもの巨額の戦費を拠出するものの、人
的貢献が無かったためクウェート湾岸戦争終結直後に、ワシントン・ポ
スト紙の全面を使って謝意を表した広告には、クウェート解放に貢献した
全ての国の国旗が掲載されていたが、金銭的貢献しか行わなかった日本は
除かれると言う有り様であった。

 

陸上自衛隊イラクサマワに派遣された際にも、英国軍、オランダ軍、
豪州軍に同じ軍隊の陸自が護衛されると言う状態は、やはり見ていて悲し
くなったものだ。さらに彼等友軍が武装勢力に攻撃をされても、救援する
ことが出来ないジレンマを抱え、そのような事態が起きなかったことをた
だ感謝するのみである。これまでのように国内だけで活動する分には、そ
う問題にはなるまいが、国外に出てまでクソ真面目に友軍に集団的自衛権
を行使出来ないことを説明する労力ぐらいは減らして欲しいものだ。