中国広西チワン族自治区の博白県などの農村各地で「一人っ子政策」によ
り女性に不妊手術を強制するなど地元政府の横暴に抗議して今月中旬から
住民約3000人が役所を包囲したり、放火するなど緊張が高まっている。
国営新華社通信も23日未明になって初めて暴動を伝えた。党中央は事態
を重視し沈静化に乗り出した。この暴動によって政府庁舎の壁や執務室が
破壊され、車やオートバイが放火された。28人が拘束されたという。

 

我が国が出生率を上げるために四苦八苦している中で、お隣の中国ではあ
まりに増えすぎた人口を抑制するために、以前から「一人っ子政策」をと
り二人目をもうけた家庭には、それ相応のペナルティーが科せられる。計
画出産と言えば聞こえは良いが、農村では労働力としての男児を期待する
あまり、出産前に検査をし女子の場合は中絶手術を行うケースが多発して
いる。その結果男女比が偏り、女性が男性に比べて少ない弊害まで起きて
いるのだ。

 

だが今回のように女性に不妊手術を強制することは、政策と言うよりただ
の「暴走」でしかなかろう。数十人から100人以上の規模の取り締まり
チームが鉄パイプを手にトラックで各家庭に乗り込んでくるなど強盗団と
見紛うばかりだ。現に罰金の支払いに応じなければ台所用品やテレビ、オ
ートバイなど家財道具一式、牛や豚など家畜を持ち去るとくれば何ともで
ある。農村ではこのような暴動が起きる事態であるのに対して、都市部の
富裕層は罰金を平気な顔で支払い、子供をもうけている側面も忘れてはい
けない。貧富の差はここでも見られるのである。