2日午前4時15分ごろ、青森県深浦町の深浦漁港に、不審な漁船が入港
しているのを付近の人が見つけ、110番した。県警や青森海上保安部
船を接岸させ調べたところ、外国人の男女4人が乗っており、身分証など
の所持品や会話の内容などから、県警などは北朝鮮からの脱北者が不法入
国しようとしたとみて、事情を聴いている。4人は「生活が苦しく、北朝
鮮から逃げてきた」と供述。毒薬を所持しており、「北朝鮮当局に見つか
ったら、飲んで死のうと思っていた」と話しているという。

 

写真を見る限り彼等の乗ってきた船は相当老朽化した船体にモーターを付
けたもので、正に命からがら北朝鮮から逃げ出してきたと見て良さそうだ。
乗っていたのは男3人と女1人で、20〜60代の夫婦と子供とみられて
おり、政府は4人を強制送還せずに当面は保護する方向で検討していると
のこと。運良く自力で我が国まで辿り着けたからいいようなもの、危険な
ルートを選んだものだと言わざるを得ない。むろん辿り着き保護を求めて
いる以上、我が国政府は彼等を支援すべきだろう。

 

だが、このような難民が大量に我が国に渡ってくるような事態がきた際に、
果たして対策がとれるのかは大いに疑問である。少数なら受け入れられる
余地はあるが、最近、日本に不法滞在して摘発された中国北東部の朝鮮族
が『脱北者だ』と主張する事例が多く、朝鮮語を話すが、調べると中国人
だというものだ。本当に脱北者なのかどうか見極めが必要との指摘もある。
昨年6月に成立した北朝鮮人権法は「政府は脱北者の保護や支援について
施策を講ずるよう努める」として、政府が支援に取り組むよう定めていて
はいるものの、理想と現実の差は大きそうだ。