7月5日に予定される参院選公示まで約1カ月に迫った。公的年金の記録
漏れや「政治とカネ」をめぐる問題が争点に浮上し、安倍政権の命運が懸
かる戦いとなる。年金問題で苦しんだ04年参院選の再現を懸念する自民
党に対し、民主党が攻勢を掛ける構図だ。

 

これまでは攻勢に出続けていく中で身内の不祥事が発覚し、尻すぼみにな
っていただけに、1カ月の間にどれだけ民主党が攻めきれるか、まずは足
下を固めるのが重要ではないか。実際、自民党からは公的年金の納付記録
漏れ問題の責任はシステムを作った時の厚相である民主党菅直人代表代
行にある、と批判しており言わば責任の擦り付け合いとも言えるだろう。
国民からすればどちらでも良いから、与野党がいがみ合うのではなく正し
い対応をとるべきだ。

 

むろん両党ともに選挙モードに入ったために、手を携えて知恵を絞るよう
な状態にはならないにしても、生活に直接影響する年金問題は選挙の争点
としては与党が不利になるのは間違いない。民主党にとってもそこを突く
か政治とカネの問題を突くの二択しかあるまいが、政治とカネは自らにも
飛び火をしかねないだけに、慎重な姿勢をとった方が良さそうだ。