中国国家発展改革委員会の馬凱主任は4日、気候変動の国家計画に関する
記者会見で、「温室効果ガスの排出拡大の主要な責任は先進国にある」と
し、その削減義務もまず先進国が負うべきだと強調した。馬主任は「途上
国の主要な任務は依然として経済発展と貧困削減」とした上で、気候変動
対策の中では、途上国の状況を勘案すべきだと訴えた。中国を含めた大幅
な排出削減を目指す欧州連合などを牽制したものとみられる。

 

現実問題として京都議定書が締約された時には、中国も開発途上国と言え
たかもしれないが、その後急速に進んだ経済成長によって膨張的とも言え
る発展を見せた。むろんこれまで化石燃料を大量に消費し、温室効果ガス
を排出してきた先進国が削減義務を負うのは当然としても、中国がその努
力をしなくても良いとはならないだろう。爆食とまで言われるエネルギー
効率の悪さを解消し、環境に良い国となってもらわねば困る。

 

今年の2月には中国の雲南省昆明市内の富民県で、同県林業局がペンキを
使って山の岩肌数千平方メートルを「緑化」していたことが笑い話となっ
て伝えられたが、彼等にとって緑化とはこの程度の認識なのだと誤解され
ても仕方の無い話である。バブル状態の中国経済はソフトランディングの
タイミングを計っており、環境問題など二の次かもしれない。砂漠化の広
がる中国にとっては他人事では無いはずなのだが。