来日している台湾の李登輝前総統は7日午前10時ごろ、東京・九段の靖
国神社に参拝した。本人や関係者の話によると、本殿に上がり黙祷したと
いう。李氏の兄は第2次大戦中、日本が植民地統治していた台湾から日本
軍兵士として出征、戦死して、靖国神社にまつられている。李氏は「62
年前に別れた兄に頭を下げる個人的行為だ」と説明した。靖国神社には、
李氏の実兄、故李登欽氏が「岩里武則」の日本名でまつられている。

 

日本兵として出征し戦死した兄のお参りをするだけで、こう騒がれては李
前総統もそうだろうが、靖国神社に祀られている英霊達もいい迷惑だろう。
李前総統はキリスト教徒で参拝前に記者団に「政治的、歴史的(行為)と
考えないでほしい」「父が兄の戦死を信じていなかったため、実家には位
牌もなく、(追悼も)何もしてこなかった」と語っているように、あくま
で純粋な神社の参拝でしかない。それをいちいち目くじらを立てて非難す
る中国の度量の狭さがことさら奇異に見える。

 

さらにマスコミが「中国の反発は必至か」などと煽るのもどうかと思う。
そこまで我が国のマスコミは日中間に波風を立てたいのかと勘繰りたくも
なる。「私人として来日したと認識している。私人として当然、信仰の自
由がある。日本は自由な国だから、そのなかでご本人が判断をされること
と思う」との安倍首相の言葉が一般の感覚に最も近いのではなかろうか。
そう、我が国は中国と違い自由のある国なのだから。