朝鮮総連は16日、中央本部の土地と建物の売却問題を受けて12日に安
倍晋三首相が記者団に語った「朝鮮総連はその構成員が拉致をはじめ犯罪
に関与してきたことが明らかになっている」などとする発言を批判する談
話を発表した。談話は、売却問題については触れていないが、問題の発覚
以来、総連が談話を出すのは初めて。

 

朝鮮総連にとって拉致問題が明らかになったことによって、組織として現
状を維持することさえ難しくなった。その一端が中央本部の差し押さえ逃
れの売却問題なのだが、安倍首相の発言を「わが祖国と在日同胞、尊厳あ
朝鮮総連について根拠もなく『犯罪者』のレッテルをはろうとする言動
は時代錯誤的であり、政府首班として到底ありえない軽挙妄動」などと批
判したところで、何らその流れに変化は無かろう。

 

批判をするのは勝手だが、元公安調査庁長官と元日弁連会長が関与してい
る中央本部の売却問題について、当事者たる朝鮮総連から何の説明が無い
のは何故か。本題に触れずに安倍首相を批判すること自体、売却には何か
やましい点があるのかと勘繰られることになるだけだ。18日には判決が
下る、その後にきちんと説明があることを期待したい。