3人が死亡した東京都渋谷区の女性専用温泉施設「シエスパ」付属施設の
爆発事故で、源泉に混じり発生する天然ガスへの対策について、施設の運
営会社や点検会社の認識に大きな食い違いのあることが20日、分かった。
警視庁捜査1課と渋谷署はガス対策への重要性の認識の乏しさが事故の背
景にあるとみて捜査。同日午後、業務上過失致死傷容疑で、運営、点検、
施工各社を一斉に家宅捜索し、全容解明を進めている。

 

この施設は運営会社がユニマットビューティーアンドスパ、設計・施工し
たのは大成建設、保守点検をしていた日立ビルシステム、さらに下請けだ
ったサングーとなっているが、日立ビルシステムは「くみ上げポンプとガ
スセパレーターの管理点検はしていない」と否定し。サングーも機械室内
では温泉の流量計などのチェックしかしておらず「天然ガスが発生するこ
とも知らなかった」と説明し、ガス関連設備の点検について両社とも「契
約事項に含まれていない」としているようだ。

 

爆発すれば建物が粉々になるほどの凄まじい破壊力を持つ天然ガスについ
て、施設に関わっていた会社が「知らない」「契約事項に含まれていない」
などと知らぬ顔をするのは如何なものか。むろんガス対策を軽視しガス検
知器を設置していなかったとされる運営会社の過失も大きい。我が国は掘
れば温泉が湧くような国土だが、地面に眠っているのは温泉だけではない
ことを知っておくべきだったのではなかろうか。