安倍首相は21日、公明党の太田代表と首相官邸で会談し、今国会の23
日までの会期を12日間延長し、7月5日までとすることを決めた。これ
に伴い、夏の参院選公職選挙法の規定により、7月12日公示、29日
投開票となる。会期延長により、公務員制度改革関連法案や年金時効撤廃
特例法案などが成立する見込みだ。首相の強い意向で、与党は参院選の日
程を当初の想定から1週間ずらす異例の決断をしたが、野党は強く反発し
ており、対立は今後、さらに深まりそうだ。

 

重要法案を成立させ参院選に臨もうとする安倍政権にとって、参院選の日
程が多少ずれても「時間稼ぎ」との批難も受け流すのが常道だろう。審議
を尽くせとは良く聞く台詞だが、果たしてこの言葉を額面通りに受け取っ
て良いかは微妙なところである。確かに年金問題などは国民に直接影響す
るだけに与野党が知恵を出し合い法案作りをすれば、素晴らしい法案とな
る可能性はあるだろう。ただ、野党が選挙を控えて与党に協力などするわ
けが無い。審議を尽くそうにも、野党は与党叩きに終始し審議どころでは
無いと考えるべきではないか。選挙が近付くにつれ、野党側にも醜聞が出
始めており、やはり選挙と言うものは一筋縄ではいかなさそうだ。