ヘンリー米国防筆頭副次官は22日、来年秋に国防総省が創設する地域統
合軍「アフリカ軍」について、「中国は経済問題を通じて一定の政治的影
響力を行使している」と述べ、資源獲得などを目的にアフリカ諸国との政
治的・軍事的関係構築を強める中国を監視する狙いがあることを明言した。
アフリカ軍はテロ対策支援、人道支援、災害救援などが主な任務で、同省
は来年10月までに創設する方針。

 

中国は資源メジャーが手を出しにくい政情不安定な国に資源獲得の活路を
見出したようだが、自らは発展途上国であると称しながら援助をジャブジ
ャブと注ぎ込み、台湾と国交を結ぶ国には断交を迫るなどアフリカではや
りたい放題な感もある。アフリカ軍を置くことで中国の動きを牽制する、
その目的自体は間違ってはいない。ただ、中国に人権問題を問うたところ
で正に馬の耳に念仏でしかないのではないか。

 

現に中国のダルフール問題特別代表である劉貴今氏は、「一つの国におけ
る石油の採掘は正常な商業活動であり、中国は、エネルギー分野における
正常な協力を政治問題化し、ダルフール問題を複雑化させるやり方に反対
する」と何とも回りくどい言い方で反論をしている。要はいちいち口を出
すなと言いたいのであろう。アフリカ軍の設置が一定の重しとなれば良い
のだが、果たしてどうなることか。