米下院外交委員会は26日、第2次大戦中の従軍慰安婦問題に関する対日
謝罪要求決議案を賛成39、反対2の大差で可決した。これを受け、ぺロ
シ下院議長は初の本会議採択を目指す方針を表明。共和、民主両党に支持
は広がっており、7月中の採択が濃厚となった。法的拘束力はないが、採
択回避を求めてきた安倍政権には外交上の痛手となりそうだ。

 

この決議案は採決前にラントス外交委員長らの提案で一部修正され、「首
相が公式の謝罪声明を出せば、これまでの声明の誠意について繰り返され
る疑問の解決に役立つ」との文言が盛り込まれたようだが、紛れも無くこ
の文言は内政干渉ではないのか。一国の首相に謝罪をしろとは米国議会と
はどのような権限を持っていると言うのだろうか。このような決議が採択
されたとて、安倍政権には関係の無いことだ。

 

自民・民主党の有志議員は決議案の可決に対し「事実に基づかない対日非
難決議は、日米両国に重大な亀裂を生じさせ、両国の未来に暗い影を落と
す」と批判し、決議案に反対した共和党の議員からも「日本政府は旧日本
軍のために何度、謝ればいいのか」と主張している。多分に政治的な要素
を含んだ決議案だが、謝罪要求をはねつけるまでもなく、事実を明らかに
していく努力を重ねるべきだ。