甘利経産相は10日、「2007年版通商白書」を閣議に報告し、了承さ
れた。白書の副題は「生産性向上と成長に向けた通商戦略」。貿易を拡大
させるとともに、海外への工場進出などの対外直接投資、海外企業を呼び
込む対内直接投資も同時に増やし、「貿易投資立国」を目指すべきだと提
言した。東アジアで市場統合の動きが強まっていることを受けて、各国が
域内で生産を分業したり、製品を相互供給したりすることも強化すべきと
した。企業は知的財産権を保護する措置などを取りながら、国内と東アジ
アの拠点で研究開発の分業も進めるべきだと強調している。

 

我が国は資源保有国では無いため、他国から資源を輸入し加工したものを
輸出することで貿易を成り立たせてきた。高い付加価値を付けることで、
圧倒的な競争力を有してきた製品もあるが、BRICsと呼ばれる国々や
さらにそれに続くとされる国々が急成長をする中で、これから我が国がど
う世界を相手にしていくかは喫緊の課題であろう。我が国が競争力を失う
と言うことは世界だけでなく、東アジアの中で埋没することになりかねな
い。急速に進む少子高齢化の中で如何にして競争力を維持しながら、メー
ド・イン・ジャパンの優位を示すことが必要だ。