安倍内閣の支持率が25.7%まで落ち込んだことが、政府・与党内に深
刻な波紋を広げている。続落の要因として、安倍晋三首相の「資質」を問
う声まで上がる。当の首相は遊説の先々で声をからして「実績」をアピー
ルするが、天下分け目の参院選投票日を29日に控えながらの「打つ手な
し」の状況に、無力感も漂い始めた。

 

支持率だけを見ていては政権の運営などは出来はしない。高い支持率を背
景に脆弱だった党内基盤をカバーした小泉前首相が特別な例であろう。安
倍首相就任後にはこれまでの政権が出来なかった、教育基本法改正であっ
たり、防衛庁の省昇格であったり、国民投票法も成立させた、重要法案が
次々に成立したのだが、如何せんこれらの法案が成立したところで国民が
関心をもたなければ、意味が無いものである。

 

本来、憲法改正を争点に加えたように、安倍首相は参院選も各党の「国家
の未来像」を戦わすものとしたかったのであろうが、年金問題と言う生活
に関わるものが出てきてしまっては、国民の目はそこに向く。即効性のあ
る政策のみが評価され、国の行く末を左右するような政策がどうでも良い
のでは場当たり的な国家としか言いようが無い。