政府が次期主力戦闘機選定で本命視している米国の最新鋭ステルス機「F
22Aラプター」の導入をめぐり、日米間の交渉が難航している問題を受
けて、防衛省自衛隊は数年後に切り替えを迎える予定のF4について、
耐用年数を延長する方向で検討に入った。海上自衛隊イージス艦中枢情
報流出事件により、米政府が日本の情報保全に不信感を抱いていることが
背景にある。

 

現在、我が国の防空を担う主力戦闘機はF15戦闘機とF4戦闘機で構成
されている。F4は機体寿命延長と能力向上を目的とした改修が行われて
きたものの、導入から30年以上が経ち機体の旧式化は否めない。導入を
検討しているF22Aは一度も実戦で撃墜されたことがないというF15
を模擬戦闘で圧倒し、正に次世代の主力戦闘機であろう。導入出来れば我
が国の防空能力は飛躍的に増す。

 

ただ、米国が自衛隊の度重なる情報漏洩に不信感を抱くのも当然である、
機密情報が我が国から他国に漏れ続けるのであっては、多大な労力を注い
で作られた最新鋭戦闘機と言えども丸裸にされてしまう。米国内でもあま
りに高価すぎるF22Aを我が国に導入させ、単価を下げようとする動き
もあり、導入そのものの見通しが全く見えないわけでもなさそうだが、何
よりも必要なのは自衛隊の信頼回復である。