自民党加藤紘一元幹事長は17日午後、都内で講演し、安倍政権の外交
路線に関し、拉致問題を重視するあまり日本が6カ国協議などで取り残さ
れる恐れがあると指摘、「安倍晋三首相と麻生太郎外相の外交感覚は、イ
デオロギーに支配されすぎていて古い」と痛烈に批判した。加藤氏は、1
8日からの6カ国協議首席代表会合に触れ、「日本は拉致問題があってな
かなか柔軟な対応ができないが、注意しないと取り残される。ある日、米
朝が国交樹立の方針で合意したということになったら、日本外交の立つ瀬
はない」と強調した。

 

加藤氏は安倍・麻生両氏の路線が間違っていると言うのなら、その代替案
を空手形でも良いので示すべきではないか。我が国が北朝鮮に切れるカー
ドが拉致問題しか無い以上、安全保障の問題と絡めて北朝鮮と対峙してい
く他に現在のところ手段はあるまい。ただし、米国が路線を転換し直接対
話に応じるようになってしまい、梯子を外されたとの感は確かに否めない。
むろん北朝鮮がすんなりと全面的な核廃棄などするとは思えず、米国も北
朝鮮が好き勝手なことを求めれば、議会が黙っていないだろう。今は早急
な結果を求める時期では無い、北朝鮮の出方を確認しつつ、我が国なりの
外交を展開していく時だ。