中越沖地震の避難所となっている柏崎市の第一中学校で21日、現場から
の中継準備をしていた中京テレビのスタッフが配膳用テントに小型マイク
を付けようとして、「隠しマイク」と思い込んだ避難所スタッフから注意
を受け、設置を取りやめた。隠しマイクではなく、臨場感を出すための食
器の音などを集めるためのものだったが、同社記者は「配慮が足りなかっ
た」と謝罪しているという。

 

臨場感、中継に果たしてそのようなものが必要であったのか。避難生活を
余儀なくされている被災者は不安とストレスを抱えていると言うのに他県
からきたメディアが、好き勝手に振舞って良いわけがない。地震の被害状
況を正確に伝えれば良いのであって、それ以上のことを視聴者は求めては
いない。隠しマイクと誤解されるような真似自体が、被災者の心情を少し
でも考えれば出来ないはずではないか。

 

報道の自由とは、何もメディアに対して白紙委任状を我々が与えたわけで
はない。自由を履き違え、特に視聴率至上主義に陥ったテレビ局は視聴者
では無く、スポンサーの顔色を伺うのみではないか。テレビ離れが進むこ
とで視聴率と言う広告料の基準が、何の役にも立たなくなる日が遠からず
くるであろうと言うのに、テレビ局の質そのものは低下し続けている。こ
の辺でもう一度自らの役割を考え直してはどうだろう。