北朝鮮が安倍政権への非難のトーンを強めている。朝鮮総連本部をめぐる
詐欺事件が発覚した6月中旬以降は「総連とその構成員を犯罪団体、犯罪
者に仕立て上げた安倍の破廉恥な妄言」(同月27日の労働新聞)、「安
倍内閣は無能な内閣、不良品内閣」(同)、「安倍一味の総連弾圧策動は
到底容認できぬ最も無謀で悪辣な段階」(1日付の外務省報道官声明)と
エスカレートしている。

 

北朝鮮の対日批判は別に今に始まったものではないが、やはり拉致問題
契機に表舞台に立った安倍首相は、北朝鮮にとって言わば天敵のようなも
のなのかもしれない。6カ国協議が米国の譲歩で、北朝鮮の望む方向に進
もうとしている中、我が国はあくまで拉致問題の解決が前提であるとの姿
勢を崩していないことが、安倍政権の批判につながっているのであろう。
無能、不良品などと口汚く罵るあたり、らしいと言えばらしいのだが。

 

参院選の投票日が近付き、結果次第では安倍首相が退陣する可能性もあり、
そう言う意味からも対日批判をエスカレートさせていると見るのは勘繰り
過ぎだろうか。むろん北朝鮮の報道など、我が国内に浸透するはずも無く、
ただの遠吠えで終わってしまうのは言うまでもない。言いたい奴には言わ
せておけ、その程度の話であろう。