新党日本田中康夫代表は26日午前、党本部で記者会見し、同日の役員
会で荒井広幸参院議員と滝実衆院議員の離党を許可したと発表した。同党
は、所属国会議員がいなくなったため、政党交付金を受給するための政党
要件を失ったことを総務省に届け出た。政党交付金の支給対象の要件とし
て国会議員が5人以上、国会議員が1人以上でかつ直近の衆院選または最
近2回の参院選いずれかで得票率2%以上のどちらかが必要と定めている。

 

参院選を前にして新党日本は、現職の国会議員が一人もいない状態に陥っ
てしまった。もともと郵政解散自民党を追い出された議員の「選挙互助
会」として誕生した政党だけに、事実上の解党とも言えそうだ。新党日本
田中康夫代表の知名度を活かして、比例区で票を稼ぎ議席確保を狙うは
ずだったのだろうが、結党以来の議員2人が抜けてしまっては、大きなイ
メージダウンにもつながる。選挙期間も最終コーナーを回り、与党だけで
無く小政党の苦戦が報じられる中、新党日本は正念場を迎えている。

 

離党した両議員も、参院選後をにらんでのことだったのであろうが、違和
感がないわけではない。特に荒井参院議員の議席与野党が伯仲した際に
活きてくるだけに、参院選の結果次第では重い一議席となる。ただ、それ
は結局は数の論理の話であって、有権者を軽視した行動だと批判されても
仕方あるまい。選挙前に選挙後をにらんだ行動をしたとあっては、さすが
に理解を得るのは難しいであろう。