米下院歳出委員会が08年度国防歳出法案を可決したことを受け、日本政
府は次期主力戦闘機の最有力候補のF22ラプターの調達計画の大幅な変
更を余儀なくされることになった。防衛省幹部は26日、「米国の対応は
織り込み済みだ。いま日本に売るというメッセージを出すと、中国や韓国
に説明がつかないのだろう」と米国の事情を推測する。そのうえで「日本
はF22に決めているわけではないし、現状では価格面で折り合うのは難
しい。選定時期をずらすのも現実的な選択肢だ」と語り、FXの調達スケ
ジュールを遅らせる可能性を示唆した。

 

我が国の国防を担う自衛隊専守防衛を掲げ、時には戦闘機を弱体化させ
てまで脅威にならないように努めると言う、軍隊として見れば極めて矛盾
したことをしてきた。どちらかと言えば政治的な判断によるものが大きく、
冷戦期はそれで済んでしまったとも言えるだろう。だが冷戦が終結し、こ
れまでのように米国の庇護で経済成長だけに邁進していれば良い時代は終
わってしまった。特に中国が相当な勢いで成長し、国防費が増大し続けて
いることは我が国にとって脅威と見るのはおかしな話では無く、質で対抗
するためにはF22を是非とも導入したいのが本音だ。米国とて高すぎる
単価を下げるためにも絶対に売らないとは言えないだろう。