韓国の盧武鉉大統領と北朝鮮金正日労働党総書記は今月28―30日、
北朝鮮の首都・平壌で首脳会談を開くことで合意した。8日午前、南北が
同時発表した。南北首脳会談の開催は2000年6月、当時の金大中大統
領と金総書記が南北分断後初めて会談して以来、2回目7年ぶり。北朝鮮
の核問題や朝鮮半島の平和体制構築問題などを協議する。韓国側は首脳会
談を南北関係の発展とともに、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議プロセス
の進展にもつなげたい考えだ。

 

韓国大統領は2代に渡り北朝鮮への融和路線を取り続け、ミサイルの乱射
や核実験が実施されようとも、その姿勢が変わることは無かった。危機感
を持たない政権にさすがに韓国の国民も焦りを感じたのか、12月の大統
領選挙を控えて与党系の候補は不人気で、野党ハンナラ党の候補の優勢が
伝えられている。これまでの与党ウリ党からは離党者が相次ぎ、新党が結
成されたものの、ただの看板の架け替えでしかないと見透かされているこ
とであろう。ハンナラ党が政権を奪えば路線の変更は当然あり得る話だ。

 

そんな状況を見据えてか、7年ぶりに南北首脳会談が開かれると言う。前
回は金で買ったとさえ揶揄された首脳会談であったが、今度は与党系の候
補を勝たせ融和路線を維持させるための会談となるのか。いずれにせよ南
北首脳の思惑が一致したからこそ開かれることに間違いは無い。北朝鮮
とって、米朝関係が劇的に改善したと言っても良い中で、南北関係を確固
たるものとし、さらなる援助を引き出しのらりくらりと延命をはかるつも
りなのだろうか。我が国の立場もこれによって左右されるだけに、注意が
必要である。