2008年8月8日の北京五輪まで1年となった8日、天安門広場では約
1万人が参加するカウントダウンイベントなど、さまざまな祝賀式典が盛
大に催された。今後1年にわたって、北京市内など各地で数多くの行事が
開催される予定だ。初の五輪開催を国威発揚の場とみなしている中国は、
あらゆる機会をとらえて「愛国主義」を鼓舞することになりそうだ。

 

国威発揚のための五輪とあっては、中国政府もあらゆる手段を講じても絶
対に成功させるつもりであろう。もはや五輪はスポーツの祭典と言うより
も、明確にビジネスの場であると割り切ってしまった方が良いかもしれな
い。今回の五輪でも世界各国の企業がスポンサーとして参入し、巨額の放
映権料も動いている。中国政府が国威発揚を改めて打ち出すまでも無く、
世界の目は北京に集まるのである。それだけ五輪と言うものが商売になる
証拠であろう。

 

ただ、中国政府としても注目が集まるだけに、自国民のあまりに悪いマナ
ーがカメラを通じて世界に流されては格好がつかない。路上でつばや痰を
吐くな、割り込みをするな、大声でしゃべるな、など子供に教えるがごと
く今さら自国民を「教育」している姿は滑稽そのものである。もっと深刻
なのは食品の安全の問題が挙げられる。五輪期間は各国の参加選手・役員
だけでなく、五輪に合わせて観光に来る世界各国の人々が安全に食べられ
る食品を提供出来るか、喫緊の課題ではなかろうか。