韓国の最大野党ハンナラ党は20日、李明博前ソウル市長を大統領選の公
認候補に選出した。李氏は12月に投票が行われる大統領選で、10年間
続いた革新系陣営からの政権奪還を目指す。19日に韓国全土で行われた
党内選挙で公認候補の指名争いを繰り広げていた朴元党代表らを破った。

 

革新系の大統領が二代続き、これまでの政権がとってきた北朝鮮を敵視す
る反共政策とは打って変わり、太陽政策と言う融和路線を突き進んできた。
その政策が正しかったかは後の歴史家が判断することであろうが、金正日
体制の維持に大きな力となったのは間違いないはずだ。だが、ここまで北
朝鮮に融和姿勢をとってきたためか、北朝鮮に親近感を覚える韓国民も多
いらしく、保守系ハンナラ党とは言え、はっきりと融和路線を否定出来
る状態では無く、むしろ容認する可能性すらある。

 

与党が分裂し、支持が低迷している現段階において、ハンナラ党が政権奪
取を達成するには保守系の候補が割れないことがまず第一だ。前評判通り
李氏がハンナラ党の統一候補に選ばれたが、朴氏は李氏に協力するのが常
道である。ここで割れると、またしても革新系候補が漁夫の利を得ること
だろう。むろん12月の大統領選までに南北首脳会談などが控えており、
与党に追い風が吹く可能性が残されている。油断が出来ないのは言うまで
も無いことだ。