伊勢丹三越は23日、来年4月1日に経営統合すると正式発表した。株
式移転により共同持ち株会社三越伊勢丹ホールディングス」を設立し、
両社が新会社の傘下に入る。売上高1兆5800億円の日本最大の百貨店
グループが誕生する。新会社は、2013年3月期に営業利益率5%を目
指す。持ち株会社の本店は、東京都中央区銀座に置く。会長兼最高経営責
任者には伊勢丹の武藤信一社長が就き、社長兼最高執行責任者には三越
石塚邦雄社長が就任する。資本金は500億円で決算期は伊勢丹と同じ3
月期を採用する。

 

今後、少子高齢化社会によって国内市場が縮小していくことが予想される
中、百貨店の存在そのものが揺らぎ始めている。「何でもあるが何にない」
とさえ揶揄され、西武百貨店とそごうが経営統合したミレニアム・リテイ
リングがセブン&アイホールディングスの傘下に下ったのもその象徴であ
ろう。業界の再編が続く中、大丸が松坂屋ホールディングスとの経営統合
を決め、J・フロント・リテイリングを発足させる。残る伊勢丹高島屋
の動きが注目されたが、低迷する老舗中の老舗、三越の救済と言う形で伊
勢丹が経営統合に踏み切った。勝ち組とされる伊勢丹にとっても銀座や日
本橋に店舗を構える三越のブランド力は、落ち目とは言え見逃せないとこ
ろだろう。生き残りをかけた戦いは、今後地方も巻き込みつつ展開される
ことは間違いない。