民主党は31日午後、両院議員総会で新役員人事を決定し、新体制をスタ
ートさせる。小沢一郎代表は菅直人代表代行と鳩山由紀夫幹事長を留任さ
せるとともに、政調会長直嶋正行参院幹事長、国対委員長山岡賢次
財務委員長の起用を内定した。副代表には前原誠司前代表を新たに起用し
た。同党で参院議員が政調会長に就任するのは初めて。輿石東参院議員会
長は代表代行を兼務する。先の参院選で野党が過半数議席を獲得したこ
とを踏まえ、参院を重視した布陣となった。

 

民主党はこれまでの小沢・菅・鳩山のトロイカ体制を維持しつつ、与野党
逆転相成った参院民主党からは直嶋氏を政調会長に起用し、輿石参院議員
会長が代表代行を兼務するなど「参院シフト」を固めたと言える。さらに
は小沢代表からは距離が遠いとされていた、前原前代表を副代表に据え、
挙党体制の執行部となった。野党が制する参院で与党を揺さぶり続け、早
期の衆院解散を目指す見込みだろうが、話はそう簡単ではなかろう。与党
にとってすぐさま解散総選挙に打って出ることは、自殺行為と同じであっ
て、安倍改造内閣自民党新執行部が巻き返しを図るのは間違いない。

 

特に参院で当選した民主党の議員の醜聞が立て続けに出ており、議員とし
ての品格が問われかねないような醜聞も目にする。それが事実かは定かで
は無いにせよ、多くの有権者の支持を集めた民主党の議員だからこそ、説
明を果たす義務があるのではないか。むろん、これを足がかりに与党が反
撃するのは泥仕合そのものである。スキャンダル頼みの政治など本当の政
治の姿では無いはずだ。臨時国会の召集まで残りわずか、与野党の攻防を
見守ろう。