共産党の第5回中央委員会総会が8日、党本部で2日間の日程で始まった。
志位和夫委員長は幹部会報告で、参院での与野党逆転を踏まえ、国会で民主
党と協力して安倍政権と対決する方針や次期衆院選での戦術転換を表明した。
参院選前の民主党批判から軌道修正を図ったが、選挙では野党第一党の民主
党が政権批判の受け皿となる傾向が強まっており、共産党の新たな方針がこ
れを打破できるかは不透明だ。

 

二大政党制の流れが進むほど、共産党の存在感は希薄化していく。確かにほ
ぼ全ての選挙区に候補者を擁立するなど、その気構えは評価したいところだ
が、それが結果に結びついていない以上は、方針の変更も止むなしと判断し
た結果であろう。ただ、その方針転換が旧来の共産党支持層の離反を生み、
退潮傾向にさらなる追い討ちとなる可能性すらはらんでいる。そんな中、共
産党が生き残りをはかる道はただ一つである。

 

各選挙区に候補者を立てるのは比例票をかき集めるためでもあろうが、それ
でも選挙区ごとに一定の票を獲得しており、それなりの組織票を共産党が持
っていることを意味している。与党に公明党創価学会がいるように、野党
にも共産党の組織票を活かせば、激戦区では大きな力となるだろう。ただし
それを良しとするかは微妙である、選挙マシーンの創価学会とは比較になら
ず、何よりイデオロギーに生きる共産党の死を意味しかねない。だが中途半
端な方針転換をとるよりも、可能性は十分にあるのではなかろうか。