ロシアのプーチン大統領は14日、「日本とは難しい問題があるが、きち
んと解決して関係を発展させたい」と述べ、懸案の北方領土問題に関する
交渉を進める意欲を表明した。ただ、歯舞、色丹の2島返還による決着を
図る立場を改めて示した。大統領はまた、「トヨタ自動車など日本企業の
ロシア進出が増えている。日本とはエネルギー協力を進めたい」として、
日ロ経済関係の発展に意欲を見せた。

 

日露関係の最大の障害は言うまでも無く北方領土問題であろう。一時は解
決の糸口が掴めたと思いきや、ロシア側の政権が変わるたびに我が国は翻
弄されてきた。プーチン政権はかつてのソ連のように、超大国としての威
信を取り戻そうと、世界の資源価格高騰の波に乗って存在感を発揮してい
る。そんな中で北方領土問題の解決を考えているだけで有難いことかもし
れないが、我が国にとって2島返還で済む話ではない。

 

すでに戦後60年以上が経ち、北方領土の旧島民達も高齢化してしまい、
かつての北方領土を知る者は少ない。我が国の敗戦間際に付け入り、火事
場泥棒的に満州へ雪崩れ込み、重工業の工作機械を持ち去るなど略奪をし
我が国がポツダム宣言を受け入れた後には千島列島に上陸し不当に占領し
た。さらには北海道の占領さえ狙っていたとされている。不当に奪われた
ものを返せと言う権利が我が国にはある。だが現実的にはそれだけでどう
なることではないのも確かだが・・・