自民党総裁選に立候補している福田康夫官房長官麻生太郎幹事長は2
2日午前、仙台市で開かれた総裁選管理委員会主催としては最後の街頭演
説会で、支持を訴えた。一方、各都道府県連では党員投票などによる予備
選の開票作業が始まった。福田氏は年金記録漏れ問題について「年金制度
そのものが疑われる事態となり、大変申し訳ない」と陳謝。その上で、「
政治は国民の信頼なくして成り立たない。信頼される政治をつくっていき
たい」とアピールした。麻生氏は格差問題を取り上げ「今求められるのは
地方が地方を経営する感性だ」と持論を展開。さらに、「東北はまだ厳し
いところが多い。改革の成功例はあるが、地域で差が出たのは確かで、ど
う埋めるかが大事だ」と力説した。

 

安倍首相の辞任から10日。自民党総裁選は所属国会議員の大半の支持を
集めたとされる福田氏が、圧倒的優位な状態にある。街頭演説会自体が意
味を為しているのかは、かなり疑問に感じるものの実直な演説の福田氏よ
り、ユーモアのある演説をする麻生氏の方が聴衆の人気が高いように見え
る。むろん聴衆全てが自民党員・党友ではないため、人気の高さがそのま
ま投票の結果に繋がるわけでもなかろう。小泉前首相のように、国民の圧
倒的な支持を集め、その支持率を背景に党内基盤の脆弱さをカバー出来た
のは、そう考えると稀有な例なのだ。麻生氏が逆転するには、地方の票を
どれだけとれるかによるであろうが、福田氏を圧倒しないことには国会議
員票も麻生氏には流れまい。出来レースと言ってしまえばそれまでだが、
本当に自民党の再生へとつながるかは正直微妙なところだ。