自民党の第22代総裁に福田康夫官房長官が選出された。同党は23日
両院議員総会で、安倍晋三首相の退陣に伴う総裁選を行い、党所属国会
議員と各都道府県連の代表者による投票の結果、福田氏が330票を獲得。
197票を得た麻生太郎幹事長を133票上回り、新総裁に選出された。
任期は安倍首相の残り任期となる09年9月30日まで。

 

下馬評通りに福田新総裁が誕生したが、麻生氏も地方票では互角の戦いを
演じたと言っても良く、単純な党員票だけを見れば麻生氏が福田氏を上回
っている。勝ち馬の尻に乗ろうとした国会議員との違いが鮮明に分かる結
果となったのではなかろうか。安倍首相の退陣と言う緊急事態の中で、福
田新総裁がどう難局を乗り切るか。もっとも派閥の支持を受けたことで適
材適所の人事が果たして出来るのか、疑問も残る。

 

麻生氏は弱小派閥出身とは言え、派閥としては福田支持を決め込んだ各派
閥からも予想以上に票を集め、結果からすれば大敗ではあるものの善戦し
たとの見方が強い。少なくとも自民党の役員か主要閣僚として迎えられる
可能性もあり、次期総裁としての足場は再び固まったのではないか。非主
流派として冷遇するよりも、主流派に取り込み反福田の旗を揚げさせない
のが福田陣営の次の一手かもしれない。