自民党福田康夫総裁は25日午後、衆院本会議の首相指名選挙で第91
代、58人目の首相に選出された。同日中に正式に選出された後、首相官
邸に入り組閣に着手する。内閣の要となる官房長官には町村信孝外相が内
定した。ただ、組閣が夜遅くなることから、認証式と正式な内閣発足は2
6日になる見通し。一方、安倍内閣は25日午前の閣議で総辞職した。国
会は午後から衆参両院本会議で首相指名選挙を行った。衆院本会議では福
田氏が自民、公明両党らの議員らの338票を得て、首相に指名された。
この後、野党が多数を占める参院民主党小沢一郎代表が117票を得
たが、過半数には至らなかったため、決戦投票が行われ、共産、社民、国
民新の各党も小沢氏に投票、小沢氏が133票を得て、首相に指名された。

 

安倍首相の辞意によって空転した国会が、これで一応正常化されることと
なる。福田内閣の顔ぶれは、安倍改造内閣が出来たばかりだったこともあ
って、がらりとは変わらないだろう。自民党の執行部も選対委員長が増え
て4役となり、その全てに派閥の領袖が就任する重厚な布陣となっている。
ただ、これを簡単に重厚と片付けて良いとは思えない、福田氏が総裁選に
名乗りを上げると、何らビジョンを示していないにも関わらず「福田氏支
持」を派閥単位で次々に打ち出した面々だからだ。特に古賀氏は総務会長
を断って、選対委員長への就任を自薦している。これでは福田氏が派閥の
領袖に担がれて総裁になった感を与えるのではないか。論功行賞で人事が
決まってしまうのは古い自民党への逆行であると民主党も当然突いてくる
ことであろう。重厚と言う意味が内閣の足かせとならなければ良いのだが。