中国のメディアは、福田康夫新内閣に高い関心を示している。国営新華社
通信は25日午後から、衆参両院における首相指名の状況や、国会議員ら
の入閣情報などを、日本のメディア報道を引用する形で次々と速報した。
同日午後に開かれた定例会見で、中国外務省の姜瑜報道官は「新首相就任
にお祝いを申し上げる。私たちは中日間の3つの共同文書を基礎に、日本
側とともに努力し、戦略的な互恵関係を進めて、健全かつ安定的な中日関
係を築いていきたい」と述べた。

 

中国から見て福田政権とは付き合いやすいと判断したのであろうか。小泉
政権下では中国との関係は冷え切ったとさえ言われてきたが、政権末期に
は次を見据えて対日批判を弱めてきた経緯もあり、ただ単に叩く、その一
辺倒では無くなっていたこともあろう。安倍前首相は首相就任後すぐに訪
中し、後に「氷を砕く旅」と呼ばれた。そう言った意味では日中関係は表
面上は悪くないように見える。来年には北京五輪を控え、大国としての地
位を固めたかに見える中国と福田首相はどう接していくのであろうか。

 

福田首相は早くから靖国神社への不参拝を明言しており、中国にとっては
好ましい首相だろう。ただ、戦略的互恵関係を中国との間に築いていける
のかが重要である。中国の経済成長に伴う資源の爆食は、大半の資源を海
外に依存する我が国にとって看過出来ないことであり、台湾との関係もシ
ーレーン防衛のためには、このまま放置しておくのは好ましくない。ただ
でさえ、人民解放軍は外征型の海軍作りを目指しているのか、空母の保有
さえ検討している。健全な日中関係を築いていくには相互に信頼が無くて
はならない。福田首相には中国に阿ること無く、真の日中友好を成し遂げ
ていただきたい。