福田首相所信表明演説に対する各党代表質問は4日午前、参院本会議で
も始まった。首相は、民主党参院選の公約に基づいて野党が多数を握る
参院に提出する法案について、「個別に中身を国民の目線で吟味した上で、
建設的な議論をさせていただきたい」と述べ、賛成することもあり得ると
の考えを示した。首相は「国民のためになる法案に対しては、反対のため
の反対をする考えは毛頭ない」とも述べ、「国民のためによりよい政策を
目指す姿勢は与野党の立場を超えて共通だ」と強調した。民主党輿石東
参院議員会長の質問に答えた。

 

参院を野党に握られた以上は、与党としてもこれまでのように数の力で押
していくことは出来ない。衆院で3分の2を握る与党と言えども、そう簡
単に野党に対して強気には出られまい。民主党が独自法案を出してくれば、
吟味した上で良い点は評価し議論をしていくことは、国民にとってはそれ
が良い法案なら好ましいことだ。そういった意味では55年体制社会党
と違い、万年野党では無く政権を担うことの出来る政党への道としては正
しいと思われる。だが、そうなると与党との違いを見出すことが難しくな
り、埋没しかねないと言う面も持っているのではないか。

 

と言っても民主党の最終的な目的は与党を衆院解散に追い込むことだ。参
院選では風を得た民主党が勢いを駆って政権奪取を狙おうにも、福田政権
の誕生で仕切り直しとなり、早急な解散は有り得ない。政策を打ち出す間
もなく総裁・首相になってしまった感のある福田首相も、防戦一方では士
気に関わる。まずは今国会を乗り切ることが課題だ、国民のために、と言
うのならその姿勢を真摯に見せるべきだ。