PRIDEが事実上、消滅した。主催するPRIDE FCワールドワイ
ドの日本人社員全20人が4日、解雇された。突然の“解散”にPRID
Eが主戦場だった選手たちも戸惑った。吉田秀彦は「何も知らされていな
かったので、ただ驚いています。コメントのしようがないです」と話すだ
け。ライト級王者・五味隆典の関係者も「現在、事実関係を確認中」と対
応に追われた。またPRIDE再開を待ち続けていた青木真也ら日本人有
力選手にも社員が連絡。ある社員は「皆一様に驚いています」と話した。

 

我が国において総合格闘技の試合を主催する団体と言えばPRIDEであ
った。隆盛を極めたのも今は昔で、フジテレビとの放送契約を打ち切られ
てからと言うものの、あっと言う間に力を失っていった。商標権・営業権
著作権・選手契約等のすべての権利がUFCに移管された後であり、お
いしいところだけを持っていかれ、残ったのは日本人スタッフと日本人選
手ばかりと言う惨澹たる状態になってしまった。「PRIDEはそのまま
残す」と約束したUFCオーナーの約束は完全に反故にされた。

 

これではPRIDEの運営を引き継いでいた「PRIDE FCワールド
ワイド日本事務所」と言う会社は、いったい何だったのかと言うことにな
る。あまりにビジネスライクなやり方だが、元広報・笹原圭一氏は「ファ
ン、関係者の方に何の説明もできないままこのような事態になってしまっ
て申し訳ない。私たちを支えてくださった方々を突然裏切るような米国首
脳陣のやり方に憤りを感じています」とのコメントからも悔しさが伝わっ
てくる。あまりにあっけない幕切れであった。