日本遺族会会長の古賀誠自民党選対委員長は6日、津市で行われた三重県
遺族会の会合で講演し、靖国神社問題について「国の指導者が責任をとる
のは一つの考え方ではないか。遺族会A級戦犯分祀を含めて勉強会を
している」と述べ、A級戦犯分祀に向け議論を進めたいとの考えを示し
た。分祀論者の古賀氏はこれまで、勉強会について「結論ありきではない」
と述べていたが、その方向性について一歩踏み込んだ形だ。さらに、古賀
氏は分祀によって天皇が参拝できる環境を整えたいとの考えも示した。

 

分祀靖国神社が教義上出来ないと再三にわたり主張しているわけだが、
それをどう分祀しようとするのか、何を勉強しているのかは古賀氏の考え
からは読みとれない。単純にポーズだけをとるのなら、分祀論者としての
主張など意味を成さないのではないか。確かに日本遺族会靖国神社を支
える有力な母体であることは間違い無いかもしれないが、だからと言って
支持と引き替えに分祀をしろなどとは圧力団体まがいの真似はして欲しく
は無いものだ。

 

天皇の親拝が分祀によって本当に実現するかも定かではあるまい。こちら
が環境を整えたつもりでも、天皇にその意思が無ければ親拝など有り得な
いのだ。国の指導者が責任をとるのは一つの考え方とあるが、すでにそれ
らは刑の執行によって果たされたことではないのか。死してなお、鞭を打
たれなければならない理由はすでに無い。分祀ありきの議論が最終的には
国立追悼施設なるハコモノに行き着くことを憂慮する。