高村外相は7日、民放テレビ番組で、民主党の小沢代表が国連決議に基づ
アフガニスタン国際治安支援部隊への自衛隊参加は可能との見解を示
していることについて「陸上でのアフガニスタンはすべて戦闘地域みたい
なもの。憲法解釈上難しいのではないか」と指摘した。石破防衛相も同日
の別のテレビ番組で「国連が決めたら突如として日本の主権が消えて9条
に反しないという理論が本当に党内で賛同されているのか」と批判した。

 

小沢代表が雑誌「世界」に発表した論文が、民主党内でも波紋を呼んでい
るようだ。その論文では「私が政権を取って外交・安保政策を決定する立
場になれば、ISAFへの参加を実現したい」とし、ダルフールのPKO
にも参加すべきだと明記している。武力行使を禁じた憲法9条に縛られる
軍隊であって軍隊では無い自衛隊が、国連決議に基づけばその制約を解か
れると言う主張には同調しかねるものがある。小沢代表は国連決議があれ
ば何でも参加するとまではしていないものの、荒れに荒れるアフガン情勢
自衛隊を投入するのであるから、どの場所に行くのも大して変わりはし
ないだろう。

 

民主党枝野幸男政調会長は、アフガニスタン国際治安支援部隊への
自衛隊参加は「(憲法が禁じる)国権の発動に当たらないというのは無理
がある」と述べ、菅直人代表代行は「人道支援や麻薬対策などの分野に関
して、やれる範囲が一切ないとは思わない」と慎重な発言をしているよう
に、こと自衛隊や安全保障の問題となると民主党も足並みが揃わない。代
表が自ら論文を発表してしまった以上は、その打ち消しは容易なことでは
なかろう。与党に付け入る隙を与えてしまったのではなかろうか。