民主党小沢一郎代表は10日の記者会見で、政権を取った場合、アフガ
ニスタンの国際治安支援部隊に参加すべきだとの持論を改めて展開した。
そのうえで「少数意見で反対はあるが、党の方針に従って行動しなければ
党人ではない。どうしてもいやなら離党する以外にない」と述べ、異論を
けん制した。小沢氏は、国連活動への積極的な参加は昨年12月の政権政
策の基本方針で決定済みとの見解を強調。「ISAFは軍事部門だけでな
く、民生活動がたくさん入っている。主力をなしている治安維持活動には
疑問がある」と述べた。「(救援などに対する貢献が)日本にとってふさ
わしい」とも指摘、後方支援を念頭に検討していくことを明らかにした。

 

小沢代表の持論に対して同じ野党の社民党共産党からの反発の声があま
り聞こえないが、単純に報道されていないだけのことであろうか。政府が
ギリギリのラインでテロ特措法を作り出し、インド洋で海自が給油活動を
する根拠法としたわけだが、アフガニスタンの地上部隊として自衛隊が派
遣されるのであれば、後方支援活動だけに専念出来るかはあやしいものだ。
兵を出す以上は、各国と建前だけの協力では無く、相互に守る義務が生じ
るのは言うまでもない。その際に武力行使を伴うはずだが、社民党や共産
党はその点をどう考えているのか。安全保障の面では水と油の民主党と協
力していくことで、自らの存在意義すら見失ってしまったのであろうか。

 

軍隊に損害はつきもののはずが、もともと憲法9条の縛りがあるとは言え、
同盟国の部隊が攻撃されていても手助けすることが出来ない軍隊が、本当
に信頼されるであろうか。そう言った面をクリアしないまま派遣される自
衛官は、相当肩身が狭い思いをしているに違いない。小沢代表は国連にこ
だわるのも良いが、まずは自国の抱える大きな問題を解決した上で、自衛
隊の積極的な海外派遣を打ち出すのが筋ではなかろうか。その際に当然、
社民党共産党とは手を切る覚悟も必要である。