老舗の和菓子メーカー「赤福」による製造日の偽装表示問題で、三重県
勢保健所は19日、同社が店頭で売れ残った「赤福餅」の再出荷や再利用
をしていた行為について、食品衛生法違反があったとして、同社を無期限
営業禁止処分した。同日午前8時半、浜田典保社長に命令書を手渡し、浜
田社長は「大変迷惑をかけて申し訳ない。今後も指導を仰ぎたいのでよろ
しくお願いします」と陳謝した。

 

老舗であろうが人気店であろうが、消費者を裏切れば最悪の場合は倒産す
ることすら有り得るのだ。食の安全に関してはことさら敏感になっている
だけに、例え消費期限を過ぎて食べても安全だとしても、いったん店頭に
出された商品を回収後、再出荷していたとあっては悪質そのものである。
常温では日持ちしない商品だけに需給の調整が難しかったにせよ、 食品
を扱う企業の姿勢としては言語道断だ。

 

無期限営業禁止処分ともなれば、赤福は相当の打撃となるだろうが、伊勢
の土産と言えば赤福餅と言われるだけに、経営が傾いてもおそらくはスポ
ンサーが見付かるであろう。問題なのはその後である、如何に信頼を回復
するかが赤福に突き付けられる。老舗、有名、銘菓などの言葉にあぐらを
かかずに出直しを図るほかあるまい。