横浜市西区のマンションの構造計算書を改ざんした「藤建事務所」の遠藤
孝・1級建築士が20日、偽装発覚後に初めて報道陣の取材に応じ、同様
の改ざんについて、「神奈川県で数件ある」と明らかにした。遠藤建築士
はさらに、「国土交通省などの調査で、他県でも出てくるかもしれないが
記憶にない。調査結果を待ってほしい」と話した。また、改ざんの動機に
ついて、「改正建築基準法施行(今年6月)の時点で構造計算が終わって
いないと、計算をやり直さなければならなかった。それを避けたかった」
と説明。「着工前に計算し直して(構造計算書を)差し替えるつもりだっ
たが、すぐに発覚してしまった」と話し、「大変なご迷惑をおかけし、本
当に申し訳ない」と謝罪した。

 

耐震偽装問題は気が付けばすっかりと忘れ去られてしまっていたが、この
ように潜水艦のように急浮上してくる厄介なものでもある。建築士にとっ
てはデータ上の改竄と言うことで、比較的簡単に出来てしまうこともであ
ろうし、マンション自体も当然見た目に問題があるわけでもなく、ばれや
しないとの本当に軽い動機からやってしまうことと思われる。それが建物
の根幹に関わる部分だけに、相当にタチの悪いことなのだが、偽装を行っ
た建物が他にも数件もあると言うのだから根の深い「犯罪」だ。「大変な
ご迷惑をおかけし、本当に申し訳ない」と謝罪したところで、何になると
言うのであろう。改正建築基準法が施行されたからには同じような真似を
繰り返させてはならない。