テロ対策特別措置法が1日、期限切れとなり、石破茂防衛相は同日午後3
時、インド洋に派遣された海上自衛隊の部隊に撤収命令を出した。同法に
基づき、6年間続けてきた給油活動は打ち切られ、現地の補給艦「ときわ」
護衛艦「きりさめ」は同日夜、午前零時の失効前に撤収。約3週間後に
日本に帰港する。海自は同法成立後の2001年12月以降、延べ59隻
の補給艦と護衛艦を派遣。これまで米英仏、パキスタンなど11カ国の駆
逐艦などに計794回、約49万キロリットルを給油した。海自の活動は、
同年9月の米同時多発テロを機に、米英などが始めたアフガニスタンでの
国際テロ掃討作戦「不朽の自由作戦」の一環。インド洋上でテロリストや
武器、資金の移動を取り締まる「海上阻止活動」に位置付けられる。無償
で各国に燃料・水を提供、日本の負担は燃料だけで220億円を超えた。

 

6年間続いてきたインド洋での我が国なりの海上阻止活動。憲法で手足を
縛られたに等しい自衛隊にとって、きちんと国際貢献を果たせる場所とし
て、インド洋は十分であったと思われる。無料ガソリンスタンドなどと揶
揄する向きもあるが、湾岸戦争の際に我が国が130億ドルと言う巨額の
拠出をしながらも、感謝されるどころか非難を浴びたのに比べれば、6年
間で220億円分(換算すれば2億ドル程度か)の燃料・水で感謝をされ
るなら有難いことではないか。むろん「テロとの戦い」とひとくくりにす
るのは簡単だが、果たしてアフガニスタンイラクの混乱が何故収まらな
いのかを考えねばなるまい。まずは海上自衛隊のインド洋での給油活動を
継続させるためのいわゆる「新テロ対策特別措置法」がいつ成立するかも
わからぬまま、撤収をせざるを得ない海上自衛隊員を労いたい。