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反則行為などが問題になった、プロボクサーの亀田兄弟の試合を中継して
きたTBSの井上弘社長は、1日の定例記者会見で、「彼らの様々な言動
に関して、取り上げ方に配慮を欠き、十分反省すべき点があった」と、亀
田人気をあおってきた同社にも責任があったことを認めた。一方で、「若
い選手が反省しているのに、ダメよっていう世界ではない」と述べ、今後
も亀田戦中継を継続していく考えを示した。10月11日の亀田大毅選手
の世界戦では、「実況や解説が亀田選手寄りではないか」などの抗議が殺
到したが、石原俊爾取締役は「会社全体で盛り上げてきた選手なので、ア
ナウンサーの思い入れが行くのはやむを得ない部分がある」と釈明した。
また、行き過ぎた言動については、「亀田サイドの発案だった。スタッフ
は注意喚起をしていたが結果として我々の努力が足りなかった」と説明。
TBSの井上社長は相変わらず他人事のように会見をしているが、亀田家
を過剰なまでにプッシュして、煽りに煽ってきたのは他でも無いTBSで
ある。行き過ぎた言動が亀田サイドの発案であることを明らかにしたのも、
単なる責任逃れのようにも聞こえてしまう。それを「注意喚起した」だけ
では何もしていないのも同様である。確かに先日のタイトルマッチも視聴
率だけを見れば大成功であり、今なお亀田家はTBSにとって貴重なコン
テンツの一つだ。そうでなければ、亀田戦中継を継続していく理由は無い
のだ。謙虚な姿勢をとるであろう亀田家に、再度TBSが密着し盛り上げ
ていこうとするのが見え見えである。視聴率至上主義に陥ったTBSに、
視聴者の存在は見えていないようである。反省をするだけなら猿にでも出
来る、その反省を番組制作につなげていかなければ、これだけの批判を聞
き流したと言う他あるまい。