福田康夫首相は2日、民主党小沢一郎代表との党首会談で連立政権協議
を打診、民主党は役員会で協議して拒否したが、党内には「連立協議の打
診をただちに断らず、持ち帰ってくること自体、小沢代表は大連立の気持
ちを持っていたのではないか」との見方も広がっている。7月の参院選
勝を背景に、安倍、福田両政権と激しく対峙してきた民主党議員の間で、
不信感から小沢氏の求心力にかげりが出そうだ。

 

参院と言う片肺を失った与党にとって、政権運営が非常に困難であるのは
事実であるが、一足飛びに大連立を実現するには無理があり過ぎる。特に
民主党にとって参院選で圧勝し、さぁ次期総選挙で政権交代だと意気込ん
でいるところに、与党と手を組むなどと言うのは筋が通らない話だ。第一
小選挙区で戦う相手と連立する構図になってしまい、どちらかが落選する
以上は、連立がうまくいくはずが無い。

 

以前のような中選挙区制に戻すのならともかく、小選挙区制では大連立が
実現する可能性は非常に低い。重要法案のみ政策協議をすると言う限定的
な対応も可能だが、政権交代に今一歩と迫った民主党内を押さえ込むのは
剛腕と言われる小沢代表にも難しいであろう。福田首相、小沢代表の放っ
大連立構想は思わぬ形で両党を揺さぶることになる、それだけの爆弾と
なったのは間違い無さそうだ。