共産党志位和夫委員長は2日夜、国会内で記者会見し、「参院選で民主
は反自公で、自公は民主を激しく批判した。連立の話は国民があぜんとし
て聞いている。全くスジが通らない」と批判したうえで、「民主党は対決
路線を捨て、密室談合の大連立の道に足を踏み入れた。これまでと違う関
係になるのは当然だ」として野党共闘の見直しに言及した。社民党の福島
瑞穂党首は毎日新聞の取材に「最終的には断ったものの、民主党が連立の
回答を保留し、持ち帰ったことは全く理解できない。対決の夏から大政翼
賛の秋にしてどうするのか。参院選民主党に投票した有権者への裏切り
だ」と語った。国民新党亀井久興幹事長は「自民党政権運営にせっぱ
詰まってしたことで、民主党は受け入れられないだろう。万が一、民主党
が協議に応じるとしても、単独で答えるべきでなく、野党間協議を行うべ
きだ」とコメントした。

 

野党にとっても寝耳に水の自民党民主党大連立構想。だが、実際には
野党共闘と言いながらも二大政党制の流れの中で、小政党の存在感は薄れ
行くばかりである。参院で野党が過半数を制している状況も、民主党にと
っては数合わせでしかなかろう。また与党にしがみついている公明党も大
連立が実現すれば、その存在価値は一気に無くなることになる。むろん大
連立が実現する可能性は相当低いと思われるが、停滞する国政を打開する
一手として排除すべきものでも無いのではないか。憲法改正のような国家
の根幹を変えるようなことであれば、政党単位で動くのではなく、大連立
のような形が望ましい。小沢代表の意思が何処にあるのか、今の段階では
不明であるが、結果的に民主党内を混乱させて収束してしまいかねない。
小沢代表の求心力も大きく低下するであろうし、ますます国政が停滞する
ことにもなりかねないのではなかろうか。