民主党は5日午後、党本部で役員会を開き、小沢一郎代表が提出した辞職
願の取り扱いを協議する。菅直人代表代行や鳩山由紀夫幹事長ら3役は当
面これを受理せず、小沢氏を慰留する方針。役員会でもこうした方向で意
見集約するとみられるが、党内では辞意撤回は困難との見方が強まってい
る。役員会に小沢氏は出席しない予定。菅氏らは、小沢氏が辞意を表明し
た4日の記者会見で「執行部をはじめ同僚議員に進退を委ねた」と述べた
ことを重視。役員会で「慰留」が決まれば、党の総意として小沢氏に粘り
強く代表続投を求めていきたい考えだ。ただ、小沢氏が前向きな姿勢を示
している自民、民主両党の「大連立」に関しては、2日の役員会で政策協
議を含めて拒否する方針を決めており、執行部もこの方針は変えないと確
認。このため、小沢氏の辞意撤回は困難とみられる。 

 

一度辞意を口にした以上、これを撤回したところで全てが元の鞘に戻るこ
とは無いのは、誰の目にも明らかであろう。小沢代表の代表職の辞職は堅
いものとなったが、問題となるのはポスト小沢が誰になるかと言うことに
尽きる。トロイカ体制を形成し小沢代表を支えてきた菅直人代表代行、鳩
山幹事長はすでに代表を経験し、賞味期限切れの感もある。世代交代とし
て再び岡田克也副代表、前原誠司副代表が登板する可能性も低くはないが、
誰が就任しても揺れる党内を安定させるのは当面は難しいであろう。政権
交代に後一歩と迫りながらも、小沢代表の辞任によって民主党には逆風が
吹くことになる。追い風を受けて戦ってきた民主党にとって、油断の出来
ないものであり、与党にとっては反攻のチャンスである。安倍前首相を辞
任に追い込むことに成功しながら、自らも失脚することになろうとは、小
沢代表の心中は如何なるものであろうか。