民主党鳩山由紀夫幹事長は9日午前、社民党又市征治国民新党の亀
井久興両幹事長と都内で会談、大連立をめぐる福田康夫首相と小沢一郎
主党代表の党首会談や小沢氏の辞任表明と撤回に関して経過を説明し「ご
心配、ご迷惑をおかけした」と陳謝した。鳩山氏は自民党との大連立や、
それを前提とした政策協議をしない考えを伝え、又市氏らも了承。国会で
の共闘関係を維持し、次期衆院選選挙協力も可能な限り行っていくこと
を確認した。週明けにも衆院特別委員会で採決の可能性が浮上している対
テロ新法案については「米軍の後方支援は行うべきでない」と反対で一致。

 

民主党参院単独過半数を占めているわけでは無く、小政党ばかりとは
言え他の野党とも共闘をしないことには、その力も十分には発揮出来ない
ものだ。小沢代表の大連立構想と辞任騒動で野党間の連携に乱れが生じれ
ば、与党にとっては反撃の芽となる。大連立をすると言うことは、小政党
などいるのかいないのかわからないような存在にまで落ち込んでしまう。
そのようなことを野党第一党である民主党が少しでも考えていたらとした
ら、と疑心暗鬼に駆られるのも無理もないところだ。当の民主党ですら小
沢代表や執行部に対する警戒心が消えたわけではなかろう。

 

むろん鳩山幹事長の陳謝で野党共闘の路線は再び固まったとも言えるが、
二大政党制の流れは止めようも無く、民主党に付いていくしか野党が生き
残る道は無いのも現実である。党の体力があるうちは比例区で数人の当選
は出せるかもしれないが、労働者の党を自称していた社民党が、自党の職
員をリストラせざるを得ない状況にまで追い込まれたのも記憶に新しい。
野党の存在が希薄になる中で、大連立構想は大きな波紋を呼んだのは間違
いないだろう。