高級料亭吉兆グループの船場吉兆が消費期限や賞味期限のラベルを張り替
えていた問題で、大阪市中央区の本店でも九州産の牛肉を「但馬牛」とす
るなど、産地や原材料を偽装していたことが9日、農林水産省の調べで分
かった。本店で販売した「但馬牛こがねみそ漬け」に佐賀県産や鹿児島県
産の牛肉を使っていたほか、本店など3店で販売した「地鶏こがねみそ漬
け」にはブロイラーを原材料に使用。農水省には「但馬牛」と表示した理
由を「同等品質なので問題ないと思った」と釈明した。

 

消費者は高級である=品質の良いものを使っていると普通なら信じてしま
うものだが、それを逆手に取り偽装を行っていたとあっては裏切り行為そ
のものではないか。産地や原材料を偽装してまで利益を出さなければなら
ない企業体質などあってならないであろう、高級の看板をさっさと下ろし
て身の丈にあった経営をすべきだ。それだけのことをしたのだと言う自覚
が無ければ、出直しなど出来はしまい。我が国を覆う食に関する様々な問
題は、飽食の時代となり消費者の嗜好が多様化する中で、如何に儲けるか
と考えた末の、誤った企業努力と言えるのではなかろうか。